擲 (teki) by 井上耕一

Self Production Note ────────

従来の7弦ギターの奏法に囚われない手法を開拓して前面に出している。

低音弦側ではなく、高音弦側の弦を一本増やすことにより、さらに多角的な分散和音や音程差のある旋律が可能になった。7弦ギターは 「視覚的要素による押弦の間違い (通常の6本から7本に増えるので、目視で弦を見間違え易いということ)」を起こしがちになるが  高音弦側を増やすことにより「触覚 (弦に指が触れる感覚)」に頼って演奏を行えるようになり、押弦の間違いが劇的に減ってより自由な演奏が可能になっていった。

これにより、7弦ギターだから可能な演奏表現を、主題部やソロの導入部に盛り込むことに成功している。

収録曲はへヴィな印象を与えるメタル系の作品を中心に「狂気」「混沌」「慟哭」を連想させるものが多い。 しかし、世相の一面を私なりに捉えたものであり、決して思想的なものではない。むしろ私自身の「観察者」としての視点=ビジョンが差し迫った表現となって奔出した。

井上耕一 (ギタリスト/作曲家)

 

本作品は音楽ストリーミングサービスで聴くことができます ────────